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Ruin of images


都内のインダストリアルスペースにて、長編実験映画『猫耳』(1994)の監督として知られる映像作家・黒澤潤の代表的な8本の作品を上映。彼の事物(それはオブジェとしての身体も意味する)に対する独自のまなざしと実験精神が織り成すクールな世界観による作品群は、90年代に国内外の映画祭等で高い評価を獲得しながらも、その後、ソフト化された一部の作品を除き、長い間見ることが出来なかった。本上映会では当レーベルの調査によって新たに発見され、フルHDスキャニングによってデジタル化された、貴重なフィルム作品+αをお披露目した。本イベントは2部構成となっており、後半に上映する3作品ではミュージシャンである古舘徹夫氏、クリストフ・シャルル氏によるライブ上映を実施し、上映後には黒澤潤監督ご本人をお招きしての短いトークを行った。

Chapter 1:Selected works 1988 – 2003

悪趣味な私の一人称
1988, 8mm, 3min

東京天使病院
1989, 8mm, 14min

スピノザのレンズ
1989, 8mm, 13min

REQUIEM
1989, 8mm, 16min

pb
2003, dv, 2min


Chapter 2: 3 Experimental Short Films + Tetsuo Furudate & Christophe Charles Live Performance

片足の神様
1994, 16mm, 12min

now here
1988, 8mm, 8min

Un Ange Passe
1995, 16mm, 14min

■黒澤潤 / Kurosawa Jun
1964年生、多摩美術大学美術学部芸術学科卒。大学時代、同期と結成したインディーズ・バンドで数年に渡る活動をした後、萩原朔美に師事し、映画制作を始める。初期においては「光や物体(あるいはフィルムそのもの)をフレーム単位の編集によって操作する構造的なスタイル」の作品を多数制作、やがて作品は物語性を取り入れ始め、「肉体的エロス」や「タナトス」、そして「幼児性」といった要素を通じて、より自身の内面的世界の分析へと移行して行く。
大学卒業後は福嶋輝彦・秋田敬明らによるアートプロデュースユニット<T.T.PARTY>との協働によって、現代美術の方面にも携わりつつ、1994年に恵比寿のイーストギャラリーで行った『猫耳』(1994)のプレミア上映では記録的な動員を達成。
また、国内のノイズシーンとの関わりも深く、自身がノイズミュージシャンとして活動する傍ら、メルツバウを追ったドキュメンタリー『ビヨンド・ウルトラ・ヴァイオレンス』(イワン・ケルコフ、1998)ではコーディネイトを担当する。その他にも、パフォーマンスユニットとのコラボレーションや、映像オペラ『サテュリコン』(2004)を手掛けるなど、常に越境した映像表現を探求する。

Born in 1964, Jun Kurosawa studied art science at the Tama Art University. While in college, he learned filmmaking by Sakumi Hagiwara. After graduation, he related not only to Japanese experimental film movements but also to Japanese contemporary art scene. His works contains a wide variety of artistic genres: industrial-music, performances, and opera.
Since 1989 numerous screenings and awards in Japan and abroad. As an example, solo exhibition metaphysical philosophy of light in Studio Arms [1990] , special screening A perfect hospital room in Ebisu East Gallery [1994] , and he has in charge of curation at the Ebisu international film festival [1996].

photos:





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